イイデジカメ:CAMEDIA C-21

 今回は以前中古で購入し一度手放して再度中古品を入手してしまったという、かなりお気に入りのC-21を改めてレビューしてみます。

高級コンパクトの佇まい

 まずは正面から。オリンパスによくあるスライド式レンズカバーです。C-900系やC-800系、C-1系、C-2系と、ほとんどの機種は横スライド式ですが、このC-21だけは縦スライド式です。今見てもその秀逸なデザインにため息が出てしまいます。
 しかし正面真ん中にある「CAMEDIA」ロゴが残念な気がします。個人的な意見ではありますが、赤文字が良くないと思います。あと「2.1Megapixel」とか。それがなければ更に高級感があがったのではないかと思います。
 ソリッドなフォルムのため滑りやすそうな見た目ですが、左側のゴムグリップのおかげで滑ることはないです。これ重要パーツですね。フラッシュはポップアップ方式ではないので自動で発光しちゃうことも多々ありますが、ISOの上限が400なので無理せずフラッシュは自動で発光させるべきですね。

各ボタンが小さいのが目立ちます。スペースは結構余っているように思えますが。

 こちらは背面。妙にボタンが小さいのが目立ちます。オリンパスのデジタルカメラはボタンが小さいという伝統があるのかってくらい小さいです。左側の十字キーも見るから小さいですが、使いにくくないところが不思議です。
 液晶モニターは当然今のものと比べてたら使い物にならない代物ではありますが、当時では高級仕様だったんだと思います。
 まず1.8インチというモニタサイズは必要にして十分な大きさであり、アクリル製のカバーがビルトインしています。
 さらにデジカメ黎明期はDSTN液晶を採用している機種もあった中、TFTの低温ポリシリコンタイプはかなり贅沢であり、モニタ画素数にしても60,000画素なんてのが流通している中、ワンランク上の110,000画素を採用していたことを見ても、当時の事情からすればやはり高級品であることがあらためてわかります。
 OKボタンの上部には右手の親指をかける滑り止めパターンがあります。前面のゴムはかなりグリップに貢献していましたが、こちらはあまり恩恵を受けている感じがありません。
 ファインダーはフィルムカメラと同様の透過式ファインダー。当然被写体の距離が近ければ近いほど、視差が強くなります。液晶モニタがイマイチなのでこの透過式ファインダーは非常に重宝します。

上部パネルの表示、見やすい。

 今どきは珍しいコンパクトカメラに搭載されている液晶パネル。C-21では上部シャッターボタンの左横についています。
 電力大食らいのC-21にとってこの状態が表示される液晶パネルは非常に重宝します。パネルには「測光方式」「フラッシュ状態」「連写状態」「画質」を示すことができます。

 外装については、質感から多分プラスチック製と思われますが、塗装が良くできているためメタル製に見間違えるほどです。

 レンズカバーはこれまたプラスチック感がありありですが、開閉動作は高級オーディオのごとく品のある仕上がりです。
 シャッターボタンは今も昔も「コンパクトカメラ」レベルでは一緒かもしれませんね。手持ちのCANON PowerShot SX610HS(2016年発売)のシャッターボタンと比べてみても申し訳ないですが、すばらしく向上しているとは思えな。。。いやきっと向上しているはずです。
 もしかしたらシャッターボタンに関してはフィルムカメラ時代にある程度完成されてしまっているのかもしれませんね。

メディアスロットは本体下部に独立してあります。

 記録メディアは当時席巻していたスマートメディア。ネットで散々叩かれていたアレです。他規格からの謀略を感じずにはいられないくらい叩かれているといたということは、逆を返せばそれだけシェアがあったんだろうなと思います。

手前に電池蓋、三脚穴は比較的真ん中に位置しています。

 今と違って電源蓋と別々になっており、こういう所に高級感を感じてしまいます。電源との兼用はどうしてもユニットバスのイメージが強くて高級感に欠ける。
 電源は単三電池×2本もしくはデジカメ用汎用リチウム電池CR-V3×1本です。湯水のように電力を使用するC-21にとっては単三型よりもCR-V3の方がストレスがたまらないのですが、使いっきりな電源なので充電池に比べ割高感はあります。
 三脚穴は比較的本体中心部にありますが、素材は樹脂製のようです。「破損が心配」なんて声が上がりそうですが、私はそんなに三脚使わないのであまり耐久性は問題ないかも。問題ないから樹脂製にしたと思ってますが、メタル製だったらさらに高級感が上がっていたことは確かですね。

左からCANON PowerShot SX610HS,OLYMPUS CAMEDIA C-21,PENTAX ESPIO 80

 本体の大きさ全般を語るうえで、他の機種と本体厚さも比較してみました。数値で語るより感覚的にレビューしてみます。
 今私が持っている最新のコンパクトデジカメはCANON PowerShot SX610HSなので、まずはそれと比較。2015年のモデルのため最新と言っていいか不安ですが、厚みはかなり違います。C-21よりも薄い分手の中に包み込めるようなグリップになるため固定もしやすいです。
 もう一つの比較対象はPENTAXのフィルムコンパクト、ESPIO 80です。販売時期は不明ですが、購入は1996年です。C-21が1999年の発売ですからその差は3年。比べてみると多少薄くはなっている感じを受けます。当時は「すごく薄い!コンパクト!」思っていたESPIO 80ですがこうなるとかなり大きく、厚いカメラという印象です。
 C-21の方が容積は小さいはずですが、逆にESPIO 80の方が大きいのでグリップしやすい印象があります。
 こうなるとC-21はかなり中途半端なサイズのカメラのジャッジになってしまいますが、この独特の高級感が私はお気に入りなので問題なしです。

解像感は十分です。こういう事例を見ると解像度と画素数はあまり関係ないとわかります。

補色系CCDのせいでしょうか、色抜けはあまり良くないですね。

上のNISSANビルと日差しとしては逆光に位置にあったSOGOです。

 横浜ベイクォーターで撮影した事例をあげてみました。
 補色系CCDの特徴なのか、原色系に比べ彩度が低いイメージです。もうちょっと青空が抜けるように撮れると嬉しかったのです。一応液晶モニタで撮影も可能ですが、炎天下ではもう視認不可で使うことはできません。もっぱら光学ファインダーが必須となります。

別の日に紫陽花を撮影、彩度が低いのは変わらず

 同じ補色系CCDでも、同時期に発売されたC-20202 ZOOMはもう少し、良かったようなイメージです。やはりレンズに差があるのでしょうか。もう少し鮮やかな描写だったと思います。映像素子やレンズスペックを確認してみると

【映像素子】
  • C-21:1/2インチCCD 214万画素(有効画素206万)
  • C-2020ZOOM :1/2インチCCD 211万画素

【レンズ】
  • C-21:F2.4 38mm相当 5群5枚
  • C-2020ZOOM :F2.0~2.8 35~105mm相当 6群8枚

 そんなに変わらないように見えるのは私だけ?本職が見ると大幅にスペックが変わるのかもしれませんね。

 このカメラを語る上で、バッテリーの問題を語らない訳にはいかないです。
 ハッキリ言って電力喰いのカメラです。とにかく電力を消費していくため、オリンパス純正のニッケル水素充電池の新品を何度過充電して最高の状態で利用しても5分程度しか持ちません。最初は「このカメラ壊れている!」と慌てたものです。オリンパスのニッケル水素乾電池でさえも20分も持ちませんでした。

 バッテリー、特に乾電池対応デジカメに関しては2001年当時を振り返ると、アルカリ電池で動作するデジカメ自体が少なかった。ニッケル水素の世代前のニッカド電池もデジカメに利用されていた時代です。いまでこそeneloopに始まる次世代ニッケル水素充電池がありますが、当時の流行りはやはりリチウム電池であるCR-V3です。オリンパスの乾電池タイプのデジカメにはほとんど対応していました。このリチウム電池を使うとそこそこ電源は快適に使えていたため、これが標準電源かと理解はしていたのですが、なんせ価格が1個500円くらいですが、それを月に3個~4個購入するのが結構な負担だったのを覚えています。

 2018年現在、C-21の魅力と聞かれれば、やはりこのデザインではないでしょうか。液晶が品質は今となっては屋外で利用できる代物ではないので、光学ファインダー必須の撮影方法は不便と言わざるえません。200万画素の画質は解像感は悪くないものの、記憶職からは遠い描写になります。記録メディアに関してはSDカード以外は扱いづらい現代です。CONTAXの佇まいに似た感じが当時お気に入りだったことが思い出されます。

CONTAX T2 (Wikipediaより引用)


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