イイデジカメ:FinePix 6800Z

 今回は富士フィルムのFinePixシリーズ、FinePix6800Zをご紹介します。

 まずはスペックから。2001年3月に発売されたハニカム330万画素1/1.7インチ原色フィルタCCDと36mm-108mm相当F2.8~4.5の3倍レンズを搭載した富士フィルムのの縦型コンパクトデジタルカメラです。

 FinePix700から1998年から2003年まで約5年間続いたハイエンド縦型モデルの一つであり、今のようにデジタルカメラのスタイルが画一化される前の時代のデザインではありますが、歴代のデジタルカメラの中でも最高デザイン(と私は思っている)の一つです。

 当時の価格は高額でなかなか入手する機会がなく、近年になってやっと入手できたのです。

電源ONにてレンズが繰り出している状態。
2017年の現在、ハイエンドモデルでこのデザインは見かけません。
今は横型デザインで成熟してしまったのでしょう。

背面には各種ボタンが並びます。
液晶モニタは当時としては大きい2型。
ズームボタンにバックライト、撮影・再生の切替レバー
が特徴的です。

電源OFFでレンズカバーが閉まった状態。
カバーは1枚板なので開いた時のアクションと音には
貫禄があります。

内蔵ストロボをアップした状態。
途端にデザインが崩れると思っているのは私だけかもしれません。

 縦型デジカメは使いにくい!なんて意見も当時ありましたが、右も左も同じようなデザインの今に比べればアリだったのでは思います。
ただ単に縦型が好みだったということもありますが。

 特にこのモデルがお気に入りだったのは、やはりポルシェデザインだったことでしょう。ミーハーな私としては「ポルシェ」だけで目を引き、アルミ削り出しのような有機的なデザインにやられました。スペックや使いやすさなどの能書きはぶっ飛び、持ち歩いているだけで所有欲を満たしてくれるデジカメの一つとなります。

撮影モードの時の液晶表示、上キーで望遠、下キーで広角。さらに左キーはマクロ、右キーがストロボです。

再生モードの時の液晶表示、上下キーで画面拡大縮小。
左右のキーで画面の送り、戻りになります。
いちいちギミックがカッコイイ。

 撮影時はこの液晶上に親指を乗せる仕様のようですが、力の入りすぎで破損してしまうのではとヒヤヒヤものです。でもこのバックライト液晶が何ともクール。

モード変更ダイヤルも厚みがあり、このローレット処理がもろ工業製品っぽくて渋みがあります。

 このローレット処理はダイヤルに留まらず、随所に展開されています。
例えばスマートメディアスロットの蓋を開く際のスライドスイッチにも細かいローレットが処理されています。

デザイン上、目を引く部分ではあるのですが、使い勝手という面では「?」かも。
でもFinePix6800Zにおいてはそこは重要ではなく、見た目が一番なので逆にイイと思います

 画質については安定の富士フィルム画質というのでしょうか。この頃から変わりません。私はオリンパス派ですが、画質は富士の画質が一番のお気に入りです。
やっぱり綺麗ですよね。

横浜山手の「外交官の家」

ペンタス。意外にマクロ撮影が難しいです。
多分液晶モニタが今時のものと比べ見にくいからかと。

工事現場の足場、解像度も十分です。

 本体液晶モニタの品質が、2型と当時としては大きいのですが、13万画素と現代と比べてあまりよくないため、Macに取り込んでから「おおっ!きれいに撮れてた」ということになります。でも当時は現像しなくても結果が見れるだけでカンドーだった時代でした

 とにかく「カッコイイ」という単語しか出てこないこのデザイン。使い勝手がスポイルされていることも否めません。実際発売時期も短かったのはそれぞれの諸事情があったとは思うのですが、一時代を築いた縦型デジカメデザインの最高峰であったと感じる一台です。


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